耳管の機能異常
2017.6.7
耳管の機能異常について
鼻の奥と中耳(鼓室)をつなぐ耳管は中耳機能を左右する最も重要な器官です。耳管には3つの役割(換気、排泄、防御)があります。換気は鼻から中耳に空気を送り中耳腔と外との圧力を平衡に保つ役目、排泄は中耳から鼻へ浸出液などを排泄する役目、防御は鼻からウイルスや細菌などの病原菌が中耳に入ってこないようにする役目です。また、自分の声や呼吸音を中耳に入れないようにする防音の役目も持っています。
通常は嚥下(えんげ:飲み物や食べ物を飲み込むこと)やあくびなどの動作の際に耳管が開き、中耳の中の圧力と外気の圧力が等しくなるようにしています。この機能がうまく働かなくなることを、耳管機能異常症あるいは耳管機能不全症といいます。
その原因として多いのは、耳管が狭くなり開きにくくなることで起こる耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)です。まれに、耳管の緊張がなくなり耳管が開いたままになっている耳管開放症(じかんかいほうしょう)もあります。耳管狭窄症、耳管開放症共に耳閉感(じへいかん:耳がつまったような感じ)、自声強調(じせいきょうちょう:自分の声が耳に響くこと)が共通の症状としてみられます。
〈耳管機能異常(耳管狭窄症、耳管開放症)の他の説明〉