真珠腫性中耳炎の病態
2013.6.29
真珠腫性中耳炎には先天性と後天性があり、後天性真珠腫は弛緩部型(上鼓室型:じょうこしつがた)と緊張部型に大きく分類されます。
先天性真珠腫は外耳道の上皮が胎児期に中耳(鼓室:こしつ)に迷入して、そこで剥脱物が堆積したものです。
後天性真珠腫は一次性のものと二次性のものが存在します。一次性は耳管機能障害で中耳(鼓室)に空気が入らなくて陰圧になることで、鼓膜上皮が陥凹して中耳に陥入した上皮の角化物(耳あか)が真珠のように蓄積することにより真珠腫を生じます。二次性のものは鼓膜後上部などの鼓膜穿孔部(こまくせんこうぶ:鼓膜に開いたあな)から上皮が内耳(鼓室)に侵入し発生するものです。
耳垢の蓄積に細菌感染が加わると特殊な酵素が産生され、耳小骨や内耳骨包の骨を溶かしたり、蓄積物の圧力で周囲の骨を圧迫すると、さまざまな合併症が起こります。
〈真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)の他の説明〉
- 慢性中耳炎(単純性化膿性中耳炎(たんじゅんせいかのうせいちゅうじえん)、真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん))
- 真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)とは
- 真珠腫(しんじゅしゅ)とは
- 真珠腫性中耳炎の誘因・原因
- 真珠腫性中耳炎の症状・臨床所見
- 真珠腫性中耳炎の検査と治療