慢性中耳炎の原因・誘因
2013.6.16
急性中耳炎を何度も繰り返していたり、治療が不完全であったり、治りにくい細菌(抗生物質に抵抗性を持っている細菌)に感染することや滲出性中耳炎が慢性中耳炎の原因になります。鼓膜に開いた孔(あな)は大きくなければ自然に閉じますが、閉じない場合もあるのです。例えば急性中耳炎の治療が十分にできず、破れた鼓膜がそのままになっている状態の場合などです。しかし十分な治療をしていても残ってしまうこともあります。例えば滲出性中耳炎のために留置した鼓膜換気チューブを取った後に鼓膜の孔がふさがらないままの場合。また、稀ですが人に耳をたたかれて鼓膜に孔が開いてしまった場合などです。
猩紅熱(しょうこうねつ)や麻疹(はしか)やジフテリアなどの急性感染症の際にみられる重症中耳炎では、鼓膜に大きな孔が開き、耳小骨や鼓室の壁にも病変が及ぶため治りにくくなります。
鼻・副鼻腔炎、扁桃炎、アデノイド等の慢性炎症も中耳炎を慢性化させやすくします。
耳管の機能不全、中耳の発育不全も炎症に対する抵抗が弱く、修復する力が乏しいので急性中耳炎が慢性化する原因になります(滲出性中耳炎の原因にもなります)。
糖尿病や甲状腺の機能低下、免疫不全などの免疫力の低下も慢性中耳炎の原因になります。
〈慢性中耳炎の他の説明〉
- 慢性中耳炎(単純性化膿性中耳炎(たんじゅんせいかのうせいちゅうじえん)真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん))
- 慢性中耳炎とは
- 慢性中耳炎の病態
- 慢性中耳炎が起きるしくみ
- 慢性中耳炎の症状と対応
- 慢性中耳炎の治療